書を始め、書くこと以外いろんなことを学ぶ中で、落款を押すと言うことは「文責」と同じことなのだと思った。自分作品に責任を持つ。未熟な時期の作品は恥ずかしいがそれも含めて、自分の作品には責任を持つということだ。
先日、知人に初めて連れて行かれた居酒屋でとても驚いた!そこには私の師の文字があったからだ。でもよく見れば署名も落款も無い。先生は絶対にそのようなことをしない人だ。きっと先生の書を見る機会が多く似てしまったのだろう。
店主は「御祝いだから署名と落款は書きません!って言われて頂いたんですよ」と喜んでおられた。
店主から書いた人はやはり同門だったと知ったが、私は黙って店を後にした。
人それぞれだが、私は「文責」同様「落款」を押して恥をかきつつもよりよいものを目指して作品を作り続けたいと思った。