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2016-10-24

これは便利!~中国の辞典アプリ

   書法辞典

   書法辞典

2016年9月、上海に行ったとき張先生に教えてもらったこのアプリは実に便利である。

 私が隷書の臨書で初めて書いたのは「張遷碑」である。張先生に「初めて隷書を学ぶならば基本の筆の使い方がはっきりとしていてわかりやすいから・・」と勧められた。
 隷書体はそれまでも部分的に日本で月例の課題として書いてはいたものの、よくわからなかった。先生に教えてもらってもそのように筆は動かない。何が違うのかもわからなかった。

 「日本人が一番苦手なのが隷書」と10年東京で書道に携わっていた張先生はいう。
 目の前で書かれる先生の筆の動きは、それまでの私が知っていたものと全く別のものだった。
 そしてもう一つ張先生が指摘したことは、「日本人は隷書の基本をわかっている人が少なく、誤字が多い」ということだ。

 ほとんどの日本人は臨書をするとき、書道出版社の拓本の写真を見て練習をする。一文字ずつ字典を引く人は少ないだろう。拓本にある白い部分が欠けたものなのか、印刷の不明瞭さを適当に解釈してしまうことが多い。私も確かめようと「隷書辞典」を引いたこともあるが、そこにも不明瞭なままの印刷文字しかなかった。

「曹全碑」の臨書を書いて上海にメールで送ると、張先生の返事は「あなたは正しい解釈をしていない」と返ってきた。しかし私には何が間違っているのかさえわからなかった。
解釈については別の機会にするが、まず「誤字」を書かないことが大前提である。そのために先生が教えてくれたのがこのアプリ!

書法辞典 http://www.shibeixuan.com/

中国語で書かれてはいるけれど「書体」と調べたい文字を一文字入れて「査字典」を押すだけで、同じ文字で同じ字体なのに、いろいろな人の書いた文字を鮮明に見ることができる。
拓本でははっきりわからなかった部分がわかるのである。「目から鱗」の気分だった!
もっと早く知りたかった・・・(^_^;)

 日本の著名な先生が上野の美術館で行われている臨書展を見に行かれた感想を読んだことがある。「かなり書歴も長く多くの弟子を持っている人でも誤字を書いている。もっと辞典を引くべきだ」と。
 日本にある辞典を引いても分からなかったことが、このアプリで解決したことは本当に嬉しかったし、多くの人に使って欲しい。
 またこれは臨書だけでなく、日本ではあまり聞いたことのない(私だけかもしれないが)人の文字もある。初めて見た行書の崩し方など、創作をするときの参考になると思うので是非とも活用していただきたいm(_ _)m

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